テクニック系バンドの総親玉

井上宗孝とシャープ・ファイブ

Munetaka Inoue & Sharp Five


 いわゆるエレキ時代に「神の手を持つ」ギタリストとして賞賛されたのは、誰でも凄いとわかる寺内タケシと誰もコピー出来ない三根信宏の二人で、その三根のいたバンドがこのシャープ・ファイブである。

 このシャープ・ファイブほど歴史上無視されているロック系のバンドもないのではないか。どんなに上手いと云われているバンドもこのバンドに掛かるとその影は一気に薄くなるように思えてならない。職人揃いの無茶渋バンド。

 シャープ・ファィブは、元々は39年に解散したウエスタンキャラバンというロカビリー/ウエスタンバンドの残党がシャープ・ホークスに合体したもので、その後三根信宏らが加わった。40年にはテレビ番組「勝ち抜きエレキ合戦」にレギュラー出演、流麗にテーマ曲や模範演奏を奏でる姿はギター少年たちを虜にした。この頃、演奏部隊がシャープ・ホークスから独立し、シャープ・ファイブと名乗るようになった。独立後も紀本ヨシオやシャープ・ホークスのバックとしてレコードに舞台にと活躍、エレキの超人気グループとして君臨する一方、やがてGSとしてボーカルものも発表するようになった。42年にはメンバーの交代が相次ぎ、更に12月にはキングからコロムビアへ移籍した。コロムビアではまず前田美波里の「ふたりの浜辺」のバックを勤めたあと、新機軸を狙いエレキ演歌「旅がらすロック」を出し、ヒットした。一方アルバムではキング時代に引き続いてインストものを発表し続け、「クラシカルセンセーション」はオリコンアルバムチャートの1位になった。相前後してサイケを標榜していたモップスに先駆けてオーケストラと舞台で競演し、その演奏力を見せつけたりと結構破天荒な活動も行っている。その後70年にキャニオンに移籍し、メンバーを変えつつ楽団として末永く活動した。なお、三根、古屋らが抜けたあとの昭和50年代にはソニーに移籍している。その後もメンバーを代えつつ細々と自主制作盤やメンバーの手製によるCD等を作っていたようであるが、流石にそこまで追う必要も感じない。なお、平成19年にはエレキ〜GS全盛の頃のメンバーによって再結成され、CDをリリースしている。

 このバンドは一言で云うと芸術的なバンド。のちのプログレバンドなどにも通じる高いきめの細かい演奏力と企画力を併せ持っている。派手でわかりやすい荒っぽいバニーズと好対照だ。三根信宏の超絶的なギターワークに、古屋紀のねばねばしたオルガンがからみつくという感動的構成が基本となっている。その一方でシングルとなるといきなり「旅がらすロック」になってしまうところも考えなしで素敵である。大好き。コロムビア時代以降は殆どCD化されてないので日本を代表するバンドとして再評価するためにも残るキャニオン、ソニー、テイエムのアルバムを全てCDで再発して欲しい。ついでにシングルも。

 なお、レコード盤上では、コロムビア時代は「シャープ・ファイヴ」、それ以外の時期は「シャープ・ファイブ」と表記していたようである。


パーソネル(GS時代のみ)

井上宗孝 ドラムス 現在芸能事務所社長

三根信宏 リードギター のちザ・ディックス、ディックミネの息子

古屋 紀 オルガン のち古屋紀とフレッシュメン

秋山 功 ベース、のちリリーズ(42年春まで)

前田 旭 ギター、のちターマイツ(42年夏まで)

伊藤昌明 ベース(42年春から44年夏まで)のちニューハード

山内英美 リズムギター(42年夏まで)現在ライヴハウス経営

西島 純 ベース(44年夏から)


ディスコグラフィー(変色しているのはCD化済み)

発売日

カタログ番号

タイトル

作詞

作曲

編曲

オリコン順位

備考

41.9.20

キングBS513

ゴールデンギター

(インスト)

三根信宏

 

発足前

 三根信宏のじょんがらギターが大活躍する古今東西のガレージインストの中でも屈指の大名曲。ただただ壮絶の一言。海外のバンドにもよくカバーされるという和製オリジナルインストの代表曲。最近ではロイヤル・フィンガーズがカバーしました。

渚の乙女

(インスト)

チャイコフスキー

古屋紀

 「白鳥の湖」。基本的に「クラシカルセンセーション」収録のものとアレンジは同じ。やや短いが、こちらの方が圧倒的に出来がいい。

41.12.1

キングBS547

追憶

小佐和志帆

秋山功

秋山功

発足前

 カーナビーツの「夕陽が沈む街」にそっくりなバラード。ただしそれと比べると情緒はあるがもっと泥臭く、ムード歌謡的なコーラスが入る。

ドライヴィング・ブルース

小佐和志帆

古屋紀

古屋紀

 やけくそなチャックベリー風ロックンロール。メンバーが一人一人ソロとアドリブをとる自己紹介ソング。GS屈指のガレージ曲の一つで、勢いだけで一気に畳みかける。とにかくかっこいい。後輩に聞かせたら評判がよかった。

42.4.20

セブンシーズHIT706

白い雲の彼方に

尾中美千絵

真弓田幸雄

古屋紀

発足前

 ストリングスを導入した穏やかなフォークバラード。しかし泥臭さは抜けず。キング時代の代表曲。

遠い海よ

いとうあきら

すぎやまこういち

秋山功

 オルガンのソロから始まるが、中身は木琴が目立つマイナービート歌謡。泥臭さは相変わらずだが、シャープ・ホークスの「スオミの乙女」あたりに近いこのバンドでは最も所謂GSらしい曲。間奏では三根の鬱憤晴らしのようなソロが聞ける。

43.3

コロムビアP9

旅がらすロック

橋本淳

市川昭介

古屋紀

69位

1.1万枚

 ホンキートンクオルガンと尺八が大活躍する演歌。実はこの曲で演歌の形式が完全に定まったという重要作。三根のどろどろした歌唱が素晴らしい。シングルとしてはこのバンドの最大のヒット。

恋路

橋本淳

市川昭介

古屋紀

 アダルト向けのビート歌謡。ちゃんとさびが盛り上がったりしてなかなか聞ける歌。

43.7

コロムビアP25

網走子守唄

橋本淳

市川昭介

古屋紀

ランク外

 前作のヒットを受け、更にディープな演歌路線。エレピと繊細なギターが織りなすドサイケな和風世界。ドスの利いた三根信宏のボーカルがかっこいい。サウンド自体はむちゃくちゃ良いのだが・・・。

夏に消えた恋

橋本淳

市川昭介

古屋紀

 このバンドらしい特徴的な音色のオルガンではじまる、重く湿ったシックないわゆるブルコメ系のGS歌謡。演奏のまろやかさがいかにもシャープ・ファイブ。(matさまありがとうございました。)

43.10

コロムビアP40

哀愁の六本木

橋本淳

筒美京平

筒美京平

ランク外

 繊細な洋楽よりムード歌謡。バイオリン奏法が聞ける。

孤独な少女

橋本淳

筒美京平

筒美京平

 なぜかたびたび登場するフォークバラード。オーケストラを導入した穏やかな歌で秋の海を連想させる。

44.7

コロムビアP66

海の想い出

小平なおみ

川口真

古屋紀

ランク外

 それほど泥臭くないポップス寄りのフォークバラード。路線的には前作B面と同じ。独特のリズム感は健在。

明日を信じて

中村小太郎

川口真

古屋紀

 テリーズの「二人だけの恋」がマカロニウエスタンに転び、青春歌謡に繋がったような唄。ギターをかき鳴らすイントロが「西暦2525年」を思わせ、わくわくさせる。ボーカルはこなれておらず相変わらず泥臭い上に、玉砕するコーラスも残念ではあるが、トラックの方は紛れもなくシャープ・ファイブの音で嬉しい。えらく録音が薄い。

45.10.10

キャニオンCA11

第九

(インスト)

ベートーベン

古屋紀

ランク外

 実に「ゴールデン・ギター」以来のインストものシングル。穏やかなロマンチックギターサウンドで始まって途中から烈火のような早弾きに移行する典型的なシャープ・ファィブサウンドの名曲。

月光

(インスト)

ベートーベン

古屋紀

 こっちはずっと抑制したプレイだが、奥深くてついつい聞き込んでしまう完璧な構成を持ったグッドプレイ。シャープ・ファイブの耽美的エレキインストの最高傑作。

41.5

キャニオンCA54

月光仮面は誰でしょう

川内康範

小川寛興

 

ランク外

 ザ・クエッションマーク(誰?)による歌。ムシ声使用による遅れてきた「アングラ」ポップスで、異常なほど濃密な演奏が繰り広げられる名盤。シャープ・ファイブがバックをつけているものと思われる。

田園

(インスト)

ベートーベン

木田高介

 まろやかな典型的シャープ・ファイブ・サウンドから始まりサイケ演奏に突入し何もなかったようにサロン風音楽になって終わる名演。元ジャックス木田高介編曲。

46.6

キャニオンCA58

男の世界

里村ゆき子

神山純

古屋紀

ランク外

 さわやか路線。リズムが強調されているが、その割にノリがいまいちなラテン歌謡。ずっとコンガが鳴り響き続ける。ギターとオルガンがせめぎ合うサウンドメイクは相変わらずだが、間奏の掛け声が新機軸。

帰らない夏

里村ゆき子

神山純

古屋紀

 困ったときのフォークバラード。穏やかながらも物足りず。

 

キャニオンCAS4

京都慕情

(インスト)

ザ・ベンチャーズ

三根信宏

ランク外

 アルバムからのシングルカット。後半盛り上がるいかにもシャープ・ファイブなプレイが聞けるが、いまいち物足りないのが残念。ファズ使用。

京都の恋

(インスト)

ザ・ベンチャーズ

古屋紀

 同上。アルバムからのシングルカットならもっと他にいい曲があるのに・・・(後述)。

46.8

キャニオンS9

トラトラトラ

(インスト)

J.ゴールドスミス

古屋紀

ランク外

 ビリビリしたファズギターが導く幽玄な日本世界。霧に立ち込めた桃源郷の世界が現出。とても70年代とは思えない音色のオルガンも素敵。

栄光のルマン

(インスト)

M.ルグラン

古屋紀

 繊細すぎてえらい地味なオルガン主戦のインストかと思いきやいきなりファズギターが鞭を入れそのままジャズ的なセッションになだれ込む衝撃的構成。あんまり盛り上がらないうちに波が引いてしまうのが残念。両面ともアルバムからのシングルカット。

 なお、「春の海」と「さくらさくら」を収録したプロモオンリー盤(コロムビアRHS1001)もある。

17センチLP

発売日

カタログ番号

タイトル

収録曲

備考

41.

キングSS117

007サンダーボール作戦

サンダーボール/ヘルプ!B霧のカレリア/ロック・アラウンド・ザ・クロック

 これでしか聞けない「霧のカレリア」を含むミニ・ベストで、事実上は「パラダイス・ゴーゴー」からのチョイス盤。その「霧のカレリア」はオリジナルよりもテンポがやや早く哀愁よりも繊細さの方が良く出た演奏だが、シャープとしては可もなく不可もなく、というか出来が悪い部類か。

43.

コロムビアJSS87

旅がらすロック

旅がらすロック/恋路網走子守唄/夏に消えた恋

 「旅がらすロック」のヒットに伴うミニ・ベスト。

 これ以外にも多くの17センチLP盤があるがアルバムのダイジェスト盤ばかりなので割愛する。(もしLPに入っていない曲を収録したものを発見した場合はその都度追加更新します。)

LP

発売日

カタログ番号

タイトル

収録曲

備考

40.9

CBSPS1243

グランド・ヒット・パレード第3集

A(ブルー・コメッツの演奏) B涙の乗車券/夢のマリーナ号/ジャスト・ア・リトル/ミセス・ブラウンのお嬢さん/カウント・ミー・イン/ダン・デ・ブラ

 当時のエレキバンドとしては標準的な選曲か。シャープサウンドが確立されているとは言い難いが、当時のエレキバンドの水準から考えると異常に洗練されている。「ダン・デ・ブラ」はCDでは「あなたの腕の中で」というタイトルで復刻。 

40.11.20

キングSKK168

フォー・ナイス・ガイ!

A007・ゴールド・フィンガー/ロシアより愛をこめて/ジェームス・ボンドのテーマ/大脱出マーチ/マンハッタン物語/荒野の七人 Bある晴れた朝突然に/黄金の男/リオの男/太陽がいっぱい/太陽はひとりぼっち/地下室のメロディー 

 ショーン・コネリー、スティーブ・マックイーン、ジャン・ポール・ベルモント、アラン・ドロンの四人のいい男主演映画の主題歌を集めた企画もの。ピポピポいうオルガンがアルバムの特徴のようにいわれるがそんなこともない。ブルージーンズ的な感覚を期待して聞くと肩透かしを食らう。早くも耽美派の芽が見られる。

41.1.20

キングSKK192

パラダイス・ア・ゴーゴー

A007・サンダーボール作戦/木の葉の子守唄/キャラバン/星への旅路/ダニューブ・ウェーブ/ロック・アラウンド・ザ・クロック Bヘルプ!/イエスタディ/ホワッド・アイ・セイ/ベサメ・ムーチョ/アンチェインド・メロディー/パラダイス・ア・ゴー・ゴー

 エレキエレキした選曲。「星への旅路」と「パラダイス・ア・ゴー・ゴー」が出色の出来。しかしそれほど荒々しい演奏はない。「ホワッド・アイ・セイ」はシャープ・ホークスを巻き込んだこのアルバムのハイライトだが、個人的にはコーラスの導入は疑問。

41.7.1

キングSKK243

ビートルズをかき鳴らせ

Aビートルズがやってくる!ヤァ!ヤァ!ヤァ!/ミッシェル/恋を抱きしめよう/ガール/恋する二人/ひとりぼっちのあいつ/ロックンロール・ミュージック Bア・テイスト・オブ・ハニー/プリーズ・プリーズ・ミー/抱きしめたい/シー・ラブズ・ユー/涙の乗車券/イエスタディ/ヘルプ! 

 ビートルズ来日にあわせた便乗企画。当時としては異常にすばやい対応。早くもこのバンド特有の考えすぎなアレンジが見られるが、基本的には曲の持ち味を生かした演奏が多い。ビートルズのオリジナル作品がさほど多くないのが当時の日本の状況をよく表していて貴重といえば貴重。

41.7.20

キングSKK237

若いギター

A涙のギター/恋心/おもいで/若い明日/忘れたはずなのに/学生時代/君といつまでも Bあの娘たずねて/東京流れ者/さよならはダンスの後に/銀座は恋の十字路/二人の星/逢いたくて逢いたくて/夕陽は赤く

 今度はヒット歌謡曲のエレキインストアルバム。最も出来の良いのは意外にも「あの娘たずねて」で激流のようなギタープレイが聞ける。他に「恋心」、「逢いたくて逢いたくて」、「若い明日」が聴き物。にしてもこの時点の歌謡界の情勢が何とも古色蒼然としているように感じる。 

41.8.20

キングSKK252

ザ・サイドワインダー

Aペイパーバック・ライター/そして今は/バットマンのテーマ/秘密諜報員/ナポレオン・ソロ/電撃フリントGOGO作戦/青い瞳 Bザ・キャット/ジ・イン・クラウド/ザ・サイドワインダー/カミン・ホーム・ベイビー/花のささやき/ミッシェル/黒くぬれ

 一部で名盤の誉れ高いアルバム。とってもオルガン・モッドな「ザ・キャット」とガレージな「カミン・ホーム・ベイビー」、出色のスパイもの「秘密諜報員」がききもの。「黒くぬれ」はシャープ・ファイブとしては異色の退廃的な演奏を繰り広げ意外。キング時代唯一といっていいガレージ的なアルバム。なお「ミッシェル」は再収録。

41.12.1

キングSKK293

若いギター第2集<ついておいで>

Aついておいで/銀色の道/赤いつるばら/銀の涙/キュン!キュン!キュン!/追憶 B夢は夜ひらく/青い渚/青い瞳/若者たち/いつまでもいつまでも/お嫁においで/蒼い星くず

 またヒット歌謡のエレキインストアルバム。えらいマイナーな歌ばかりのA面と夜が明けたB面の差が凄いが演奏の方は聴いた限りこれというのがない。とくにシャープ・ホークスの2曲の食い足りなさが残念。「青い瞳」は前作の再収録。「追憶」はシングルと同音源、よって歌入り。

42.6.20

キングSKK345

若いギター第3集<白い雲の彼方に>

A白い雲の彼方に/若い夜/遠い渚/ローマの雨/恋/あの娘と暮したい/小指の想い出 Bブルー・シャトウ/恋のハレルヤ/センチメンタル・シティ/小さな倖せ/何処へ/二人の銀座/遠い海よ

 またまたヒット歌謡のエレキインスト集。渋さに走りすぎた感があるが、「若い夜」は歌入り盤並のワイルドさ。「二人の銀座」はオリジナルより情緒がある。しかし最も出来が良いのはワルツに改変され、このバンドの本来持つジャズっぽさが顔を出した「何処へ」であろう。和製エレキインスト屈指の佳曲。なお、彼ら自身のシングルの二曲(「白い雲の彼方に」と「遠い海よ」)は歌入り。

42.12

コロムビアJPS5137

シャープ・ファイブ・ゴーゴー

A北国の二人/霧の彼方に/風が泣いている/モナリザの微笑み/バラ色の雲/世界は二人のために B真っ赤な太陽/マリアの泉/渚のうわさ/ブルーシャトウ/太陽のあいつ/渚のセニョリーナ

 会社を移籍してもさらに続く楽団路線。ファズギターが唸る「真っ赤な太陽」と「太陽のあいつ」(何故かはしょってある)がかっこいい。バッハを大胆に導入した「バラ色の雲」も心地良い。エレキインスト物にストリングスの導入という反則技を使っている曲もあるがそれは今ひとつ。「ブルーシャトウ」は考えすぎ。 

43.3

コロムビアJPS5139

シャープ・ファイブ・スクリーンゴーゴー

A続・荒野の用心棒/傷だらけのアイドル/パイ・ヤン・パムパム/男と女/いそしぎ/ロシアより愛をこめて B夕陽のガンマン/危険な関係のブルース/ブーベの恋人/黄金の腕/黒いオルフェ/太陽はひとりぼっち

 原点回帰の映画主題歌のエレキインストアルバム。そつなく演奏。「傷だらけのアイドル」だけが荒みまくっているが、これという派手な曲がない。が、「危険な関係のブルース」に見られるクールさなどが前面に出ており、通好み。

43.11

コロムビアJDX18

春の海

A春の海/六段/千鳥の曲/奴さん/越天楽 Bさくらさくら/祇園小唄/木遣りくずし/さのさ節/春の海

 長唄などをエレキインスト化したアルバム。超絶的な大作「春の海」がド肝を抜くが、後は抑制した渋い演奏が楽しめる。なお、アルバム冒頭のものはロング・バージョン、ラストは短縮バージョン。その中では「千鳥の曲」や「越天楽」が比較的派手。

44.6

コロムビアJPS5181

想い出のロックンロール・ヒット・パレード ロック・アラウンド・ザ・クロック

Aルシール/ダイアナ/アイル・ビー・ホーム/ハウンド・ドッグ/砂に書いたラブレター/悲しき足音 Bロック・アラウンド・ザ・クロック/監獄ロック/悲しき雨音/恋の片道切符/ハート・ブレーク・ホテル/朝日のあたる家

 ロックンロールのエレキインスト物。サックスやストリングスを導入し、本場のR&Bバンドを思わせるグルーヴを感じる曲もあり強烈な印象を与える。所謂シャープ・ファイブのサウンドとはやや離れている。かなり高水準でまとめられているが、特に「朝日のあたる家」がワイルドで素晴らしい。「ルシール」はキラートラック。

44.9

コロムビアJDX29

クラシカル・センセーション 四季/剣の舞

A四季「春」/四季「夏」/四季「秋」/四季「冬」/ハンガリアン舞曲第5番/新世界 B白鳥の湖/ペルシアの市場にて/剣の舞/真珠採り/ピアノ協奏曲第1番/カルメン

 ビバルディーの四季を大フューチャーしたシャープ・ファイブの「レッツ・ゴー・運命」。粒ぞろいの楽曲がずらりと並ぶが三根の太いギター音がかっこいい「ハンガリアン舞曲第5番」と軽やかなエレキエレキした「カルメン」が特に素晴らしい。バニーズに比べると構成力の完璧さで勝負というこのバンドの姿勢がよくわかる。

44.11

コロムビアJPS5193

ポップス・ゴールデン・ヒッツ

Aまごころ/ローマの奇跡/或る日突然/フランシーヌの場合/雲にのりたい/禁じられた恋/今日からあなたと B星空のロマンス/白いサンゴ礁/天使のスキャット/さすらい人の子守唄/山羊にひかれて/人形の家/真夜中のギター

 再び歌謡曲のエレキインスト盤。時代が時代だけに気が滅入るようなフォーク調の暗い歌ばかりで、めぼしい演奏はない。その中では「禁じられた恋」のみ「越天楽」を思わせる派手なプレイが聞ける。「さすらい人の子守唄」は落ち着きがない。

45.6

コロムビアJDX37

古賀メロディー大作戦

A酒は涙か溜息か/影を慕いて/東京ラプソディー/男の純情/悲しい酒/誰か故郷を想わざる B青い背広で/目ン無い千鳥/丘を越えて/人生劇場/人生の並木路/青春日記  

 古賀メロディーのエレキインスト集。ここまで来るとさすがに付いていけなくなる人も多くなるかも知れないが、実はなかなかのアルバムでなかなかとっつきやすい。特に「青い背広で」と「人生の並木路」はファズバリバリで超ワイルド。「青春日記」は哀愁いっぱいで夜聴くと淋しくなる。そんなことより裏ジャケでシャープ・ファイブの面々と一緒にベースを持って写真に収まる古賀先生の図がとってもモンドである。 

45.10

コロムビアJPW33〜4

シャープ・ファイブ魅力のすべて

A六段/千鳥の曲/奴さん/さくらさくら/さのさ節 B男と女/黒いオルフェ/危険な関係のブルース/夕陽のガンマン/続・荒野の用心棒/太陽はひとりぼっち C四季“春”/ハンガリア舞曲第5番/白鳥の湖/ペルシャの市場にて/剣の舞/真珠採り Dルシル/ロック・アラウンド・ザ・クロック/ダイアナ/監獄ロック/アイル・ビー・ホーム/朝日のあたる家 

 歌謡曲物を除いた4枚のアルバムからのベスト・チョイス盤。何故かA面はまるでワーストを選んだかのようなツボを外した選曲。後は妥当。 

45.10.10

キャニオンCAL1001

第九/シャープ5クラシックに挑戦

A第九/未完成/新世界/アベ・マリア/チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番 B運命/田園/月光/メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲/白鳥の湖  

 移籍第一弾。はっきり言って「クラシカルセンセーション」より出来がいい。シングルカットされた3曲以外では「未完成」と「ピアノ協奏曲」の優雅さが素晴らしい。「運命」は今ひとつ。CD化して欲しい。

46.1

キャニオンCAL1012

軍歌に挑戦 同期の桜

A同期の桜/ラバウル小唄/戦友/月月火水木金金/進軍の歌/敵は幾万 B軍艦行進曲/麦と兵隊/空の神兵/燃ゆる大空/愛国行進曲/海行かば

軍歌・戦時歌謡の有名曲をエレキ・インスト化。挑戦というよりもこなすと言った方がよい演奏で、安定している。有名曲ばかりの中に「進軍の歌」がぽつんと妙にマイナーな選曲だが、これが最も出色。軍隊ラッパを思わせるトランペットが勇壮に全体をリードしており、これだけがこなすという感覚でない演奏になっている。この曲をやりたいがために他の十何曲をやってアルバムに仕上げたかのような印象も受ける。

46.3

キャニオンCAL1015

シャープ・ファイブベンチャーズに挑戦

Aキャラバン/ダイヤモンド・ヘッド/ウォーク・ドント・ラン/10番街の殺人/クルーエル・シー/ブルドッグ/パイプライン B京都慕情/アパッチ/サーフ・ライダー/テルスター/レッツ・ゴー/ブルー・スター/京都の恋

 ベンチャーズというよりはエレキヒットといった選曲だがこれが当時のエレキインストに関する一般的な認識だった。ファズが効果的に使用されている。特に「クルーエル・シー」や「レッツ・ゴー」は出色の出来。(掛け声は泥臭いが)それにしてもレコード自体の解説に「本領が発揮できなかった」などと書いてある曲(「京都慕情」と「京都の恋」)をいくら当時オリジナルがヒットしていたからといっても、シングルに切ってしまうセンスに腹立たしささえ覚える。(ほんとに出来が悪い。)

46.5

キャニオン

シャープ5ハワイアンに挑戦

A珊瑚礁の彼方/タイニーバブルス/スイート・レイラニ/バリバリの浜辺/ブルーハワイ/小さな竹の橋/真珠貝の唄 B南国の夜/カイナマ・ヒラ/マウイ・チャイムス/ハワイの結婚の歌/マリヒニ・メレ/タ・フ・ワ・フ・ワイ/アロハ・オエ

 日本のエレキバンドが何故か一度は通るハワイアンのエレキ化。基本的にはこれも一見通例のシャープサウンドの範疇だが何だか妙な軽さがあって微妙に音が違う。全体的にはしっとりと聞かせるタイプの曲が揃っている。また、三根のバラエティに富んだ流麗で甘美なギターがいつも以上に前面に出ており、パーカッションなどによるラテン濃度も高い。オルガンはやや控えめといった感じだが実験的な味付けが至る所に見えて面白い。原曲のせいもあるがあっさりとした味付けの曲が多く曲による出来不出来は殆ど無い。その中で特に「南国の夜」でのウエスタンの要素を取り入れた憂鬱と優雅と荒廃が同居する芸術的な演奏が印象深い。「マリヒニ・メレ」はファズ使用のテルスター調で意外や。

46.9

キャニオンC1033

映画専科

Aトラ・トラ・トラ/青春の光と影/小さな恋のメロディー/愛ふたたび/この胸のときめきを/ある愛の歌/昨日にさようなら B栄光のル・マン/涙のカノン/サウンド・オブ・サイレンス/ロング・アンド・ワインディング・ロード/007のテーマ/ガラスの部屋/扉の影に誰かいる

 映画音楽と一とくくりにするにはあまりにもタイプの違う曲が寄せ集まっている結構無茶なアルバム。映画音楽というブランドがあった時代なればこそ。これもまろやかな三根の抑制されたギターを中心にした恒例のシャープサウンドが聞ける。さすが時代を共有した「サウンド・・・」や「ロング・アンド・ワインディング・・・」は手馴れたもの。また要するにクラシック曲である「涙のカノン」等も納得の出来。特に酷い曲はなく、粒の揃ったシャープの中でも屈指の出来のよいアルバム。特に「小さな恋のメロディー」の出来がよい。流石に曲それ自体の間のギャップまでは埋まっていないが。(横山さまありがとうございました。)

46.11

キャニオン

ロシアン・フォーク

Aカチューシャ/黒い瞳/仕事の歌/トロイカ/泉のほとり/モスコーの夜は更けて Bポリシュカ・ポーレ/二つのギター/山のロザリア/ニレの木、カシの木/ボルガの舟歌/ともしび/ステンカ・ラージン

 哀愁のエレキサウンドで奏でるロシア民謡集。典型的なシャープサウンドで押し通している。爆裂な速弾きはないが、情緒的に煽る三根のギターがすばらしい。曲によっての出来不出来の差はないが、その分のっぺりとした印象も受ける。

47.

キャニオンC1048

ヒット・アウト14

A雨のエアポート/誰も知らない/長崎慕情/悪魔がにくい/水色の恋/別れの朝/冒険 B雪あかりの町/愛する人はひとり/好きなんだけど/一寸待って下さい/本牧メルヘン/マミー・ブルー/出発の歌

 シャープ・ファイブ版「歌のないエレキ歌謡」。基本的な線は変わらず。というか「シャープ・ファイブ・ゴーゴー」の再来っぽい。ただし「雨のエアポート」では顕著にグルーヴが強調されている。正統的なファンには耽美なギターがしっとりと歌い上げる「水色の恋」が一番しっくりくるものと思われるが、個人的にはワイルドな「愛する人はひとり」とこのバンドのジャズっぽさがよく出た「本牧メルヘン」がベストテイク。特に変わったことをしている訳ではないが「悪魔がにくい」や「マミー・ブルー」の選曲にGS以後という時代の移り変わりを強く感じさせる。「出発の歌」は原曲の雰囲気を丸っきり裏返したアレンジが痛快というか何と言うか・・・。

47.

キャニオンC1061

コレクションVol.1

AA列車でいこう/グリーク・ピアノコンチェルト/西武門節/しかられて/ジャンゴ/バカな俺/雨だれ B華の舞/交響詩モルダウの流れ/津軽じょんがら節/春がいっぱい/証城寺の狸ばやし/マネー・イズ/アイアンサイド

 オリジナル曲、ボーカル曲を含むシャープ・ファイブの多彩なレパートリーをつまみ食いしたアルバムで全曲初出の音源。出来不出来は無くBGM用にピッタリな穏やかなチューンが多いが、オリジナルの「雨だれ」はかつて「春の海」のような曲展開で唯一烈火のギターが聞ける。全体的に琴の音色を意識したというシャープスサウンドの色がストレートに出ており、またファズギターの使い方はまさに職人芸そのもの。特に「アイアンサイド」はグルーヴィーでサイケデリック感覚満点の好演。ボーカル曲はクインシー・ジョーンズのカバー「マネー・イズ」と信楽順先生作のフォークバラード「バカな俺」。ボーカルを取ったときの妙な泥臭さが健在。

48.2

キャニオンC1067

コレクションVol.2

Aモーツァルト交響曲第40番ト短調/ギター・コレクション/ちんちん千鳥/ワンゴ・ワンゴ/四季の眺め/愛の休日 B華の精/ダニー・ボーイ/卒業旅行/幻/アマポーラ/帰り路

 前作に続く、ノン・コンセプトのアルバムで、幅広い選曲により替わらぬシャープ節が楽しめる。ファズギターが多用され、しかも効果的に使われていることが特徴かもしれない。オリジナル曲は幽玄ぶりを強調した物が多いが、なかでも「ギター・コレクション」は全くの別もの。ジャズ、ウェスタン、ロックンロール、ハードロックなどいろいろな曲調のさわりをメドレーで演奏していく彼等ならではの曲。なお全曲インスト。

48. 

キャニオンC1075

ロックン・ロール

Aジョニー・ビー・グッド/ローディー・ミス・クローディー/ナイト・トレーン/メンフィス・テネシー/ロッキン・ロビン/丸木小屋 Bハウンド・ドッグ/のっぽのサリー/サニー・リバー・ロック/パーティー/ワマー・ジャマー/イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト 

山内が六曲、古屋が二曲でボーカルをとるこのバンドのアルバムの中では珍しい傾向の一枚。往年のロックン・ロールをカバーしたものだが、「丸木小屋」と「パーティー」は彼らのオリジナルボーカル曲の貴重品。ジャケットがニューロック風。出色なのは冒頭を飾る「ジョニーBグッド」で41年ごろのシャープホークスのバックをしていた頃の勢いの有る演奏が聞ける。もともとロッカビリーの歌手であった三根を始め泥臭いながらも鋭角な歌を歌える人たちなだけに、同時期のニューロックバンドによる同趣旨のアルバムと互角の出来。オリジナル曲は頑張ってはいるが流石に曲調の違いが目立ち、やや溶け込んでおらないが努力は認める。

48.

キャニオンC1086

日本の民謡

A大漁唄い込み/八木節/鹿児島小原節/ひえつき節/安里屋ユンタ/ちゃっきり節 B花笠音頭/おこさ節/阿波踊り/貝殻節/おてもやん/刈干切唄 

ほとんど省みられることのないエレキ民謡集。48年発売ということで、ニューロックの色が強い。特にドラムの音の抜けのよさにそれを感じる。相変わらず三根のギターと古屋のオルガンが全体を引っ張る形となっており、ギターのエフェクトのかけ方はまさにこの時代を象徴している。この時代のシャープ・サウンドは全体的に耽美的で、穏やかな曲調の中に緻密なプレイを重ねていく傾向が強いが、このアルバムは比較的豪放な傾向が見て取れる。しかしそこはシャープ・ファイブで、羽目を外したり粗野に走ったりはせず、余裕を持ったプレイを披露している。殆どはインストだが、「鹿児島小原節」と「おてもやん」は唄入り。特に前者はこのアルバムの中でも最もロック濃度が高いにもかかわらず、ユニゾンとコーラスを上手く工夫して組み立ててあり、ベテランらしいねじ伏せ方をしているのに大変に好感が持てる。「おてもやん」の方は楽器としてのコーラスといった入れ方に実力の高さを感じる。

49.8

キャニオンAB4001

ツァラトゥストラはかく語りき/白鳥

Aツァラトゥスツラはかく語りき/マドンナの宝石/チゴイネルワイゼン/トロイメライ/アイネ・クライネ・ナハトムジーク/トルコ行進曲 B熊蜂の飛行/白鳥/セレナーデ/四羽の白鳥/アンダンテ・カンタービレ/展覧会の絵

 だいぶ弱ってきているアルバムである。その中では「熊蜂の飛行」のテンションの高さが目立つ。彼らはこの手のビートものをもっとやるべきだった。

 51.

CBSソニー15AH75

懐かしのGSビッグ・ヒット20

Aブルーシャトウ/長い髪の少女/エメラルドの伝説/君だけに愛を/スワンの涙/君に会いたい/バラ色の雲/いつまでもいつまでも/小さなスナック/想い出の渚 B夕陽が泣いている/花の首飾り/神様お願い/青い瞳/ガールフレンド/モナリザの微笑/ノー・ノー・ボーイ/忘れ得ぬ君/白いサンゴ礁/好きさ好きさ好きさ

 クリスタル・サウンズと共演。もはや古屋も三根もいないシャープ・ファイブはただの楽団に過ぎない。グループ特有のグルーブが全く見られない、残念なアルバム。単にGSのカラオケとしてのみ考えると山っ気が無くて正統的なのだが、それでは、シャープ・ファイブの名が泣く。

 

CBSソニー15AH177

なつかしのカレッジ・ポップス・ベスト20

 

未聴。これもクリスタル・サウンドと。

 

CBSソニー15AH196

なつかしのGS&カレッジ・ポップス

A君といつまでも/星に祈りを/空に星があるように/白いブランコ/若者たち/小さな日記/あのすばらしい愛をもう一度 Bブルーシャトウ/長い髪の少女/想い出の渚/白いサンゴ礁/いつまでもいつまでも/夕陽が泣いている/小さなスナック

未聴。「カラオケ・トップ・リクエスト」シリーズの一環。表紙はバロン吉元。(実際にシャープの演奏か確かめていませんが、いろいろな状況から見て前二作のピックアップ盤だと思われるので、念のためここにあげました。)

 52.

CBSソニー25AH243〜4

GS&カレッジ・ポップスの想い出32

A君だけに愛を/長い髪の少女/夕陽が泣いている/花の首飾り/君に会いたい/いつまでもいつまでも/スワンの涙/バラ色の雲 Bブルーシャトウ/エメラルドの伝説/神様おねがい/モナリザの微笑/忘れ得ぬ君/ガールフレンド/ノー・ノー・ボーイ/好きさ好きさ好きさ C君といつまでも/白いブランコ/海は恋してる/風/小さな日記/白いサンゴ礁/この広い野原いっぱい/戦争を知らない子供たち D想い出の渚/空に星があるように/小さなスナック/星に祈りを/希望/お嫁においで/あの素晴らしい愛をもう一度/若者たち

 クリスタル・サウンズと。というか落ちている曲はあるが前々作と前々々作をまとめたもの。カケ帯。

53.1

キャニオンAB2006

ギター・アンサンブル・ベストコレクション ムーンライト・セレナーデ

Aペンシルヴァニア6−5000/真珠の首飾り/ムーンライト・セレナーデ/セントルイス・ブルース・マーチ/フライング・ホーム/アメリカン・パトロール Bチャタヌガ・チュー・チュー/サボイでストンプ/茶色の小瓶/サンライズ・セレナーデ/タキシード・ジャンクション/イン・ザ・ムード

 高水準でまとめた、旧シャープ・ファイブ色の強いアルバム。ジャズの名曲をプレイ。エレキ化と言うとちょっと語弊がある。安心して聞ける、かなり通好みで渋めの演奏。三根も古屋もいないがかなり健闘していて好感.。難点は目玉になるようなあくの強いプレイがないことだが、それは好みの問題。

不詳

CBSソニー15AH1263

カラオケ・ベスト・ヒット 懐かしのGS

 

未聴。これもクリスタル・サウンズとの競演なので上のGSものアルバムの再発かも。1990スペースシャトルズというクレジットもあるようなので何曲か別のスタジオミュージシャングループによって追加されているのかもしれない。

不詳

ティエムTL1006

ベンチャーズサウンドベストヒット

A十番街の殺人/キャラバン/アパッチ/二人の銀座/テルスター/北国の青い空/輝く星座/朝日のあたる家 Bダイヤモンド・ヘッド/パイプライン/雨の御堂筋/ブルドッグ/ワイプアウト/ドライビング・ギター/蜜の味/マルタ島の砂

タイトルに反してよく解らない選曲で、「ワイプアウト」や「パイプライン」はともかく「輝く星座」や「マルタ島の砂」なんか誰がベンチャーズを想起するのだろうか。演奏の方はシャープ・ファイブとしてはぼちぼちとはいえ十分合格ライン越え。オルガンは古屋ではないかもしれないが、ギターとドラムがそれをカバーしようとして奮闘している。「テルスター」はスペーシーだったりスピード感いっぱいの演奏になることが多い曲だが、ここではほんわかとした和み系に料理。最も出来が良いのは「雨の御堂筋」で、バンドサウンドにホーンセクションを導入、ドラムのフィルインもセンス良くオリジナルを完全に凌駕している。これに限らず「雨の御堂筋」は傑作カバーが多い気がする。全体にボンゴが入っているのはサンタナを意識しているのかもしれないが、その割にはギター全く粘っこくないのでよく解らない。個人的には「輝く星座」の「輝け太陽」が始まるところの唐突なドラムソロが面白かった。

不詳

ティエムTL1031

シャープファイブ大全集

Aダイヤモンド・ヘッド/キャラバン/アパッチ/朝日のあたる家/10番街の殺人/蜜の味/悲しき雨音/レット・イット・ビー B監獄ロック/火の玉ロック/ハート・ブレイク・ホテル/GIブルース/ロックンロール・ミュージック/すてきな16才/ルシール/ダイアナ

何故かマイナーレーベルから出たノンコンセプトアルバム。ただし上のアルバムに収録されている曲が再登板しているから、或いはこのレーベルで相当数の録音をして、そこから曲を選りだした可能性もある。いずれにしてもジャケットにも音にもまだ三根・古屋がいるので昭和50年代前半までに録音されたものだろう。

彼らのジャズ的なセンスが拡大されたアルバムで、「朝日のあたる家」(上とは別テイク。)を筆頭に耽美な雰囲気が横溢している。速弾きは「火の玉ロック」で聴けるのみだが、これが尋常でなく壮絶であっていくつもこんなすごい速弾きが連なっても逆に疲れてしまうので、たった一つだけに絞ったのは正解なのかもしれない。「ルシール」はコロムビアのものとは違いファズを強調して自分たちの演奏だけで通しているが、ビートが甘くなっており評価が分かれるところ。ビート一辺倒でもなく、かといってイージーリスニングに徹しているでもないという彼らの歴史の中では過渡期的な作品といえるかもしれない。ただし何ともいえないマイナー感はある。

不詳

テイチクBH1079

サーフ・ウェイヴ・ロック/サーフィンミュージックと波の音

AサーフィンUSA/サーファー・ガール/パイプライン/ワイプ・アウト/サーフ・パーティー/太陽の彼方に/ダイヤモンド・ヘッド/ミザルー Bサーフ・シティー/サーフィン・サファリ/サーフィン/カリフォルニア・ガール/サーフィンNo.1/サーフライダー/太陽の渚/ポイント・パニック

サーフミュージックの名曲をずらり16曲並べた営業のりのアルバムで曲間を波の音で繋いである。リードギターは三根色が強く、リズムの取り方もこのバンドらしいのでシャープ・ファイブらしい音がしているとは言えるが、キーボードの音があまりにも近代的で涙を誘う。特に冒頭を飾る「サーフィンUSA」の間奏で弾かれるアドリブのギターフレーズは三根信宏にしか出来ない弾き倒し方で印象深い。ロマンティックな楽曲でのギター音のまろやかさもこのバンドの伝統に則っている。それにしても、テイチクにもいた事があったとは知らなかった。BGM用レコードとしてはまとまっているが、シャープ・ファイブのレコードとしては凡庸としか言いようがない。

 ほかにオーディオチェック用の「4チャンネル大作戦」(コロムビアQ(B)9003)があるが既発音源を使ったものだろう。

 この他、オムニバスLP「粋なうわさ」で橋幸夫のカバー「京都神戸銀座」を唄入りで披露したが泥臭さがいい方に出ており、絶品。また、当時8トラで「ベスト・オブ・シャープ・ファイヴ」(コロムビア8PK3059)と「ワンダフル・エレキ・ギター」(コロムビアPK3071)が出ており、その収録曲は全て通販商品である「エレクトリック・ギター・センセーション」に収録されている。これらはやや精彩に欠ける。詳しくはGSCDのページを見よ。バッキングとしてはシャープ・ホークスの殆どの曲の他、東芝ではスリー・ファンキーズや山内賢らの作品、キングでは紀本ヨシオの「涙のギター」、「だから泣かないで」など、コロムビアでの初仕事としてひとりGSの名曲である前田美波里の「二人の浜辺」「愛のカデンツァ」を残している。また、「若さで歌おうヤアヤアヤング」出演時の伊東きよ子とザ・タイガースによる「花と小父さん」のバックを付けたものがCD化されている。

 後年のものでは、いとう愛子(もと・伊藤アイコ)の「思い出のメロディー」というカンツォーネとかを集めたアルバムやほりまさゆきほかロカビリー・カバー期の歌手たちを集めたオムニバス「懐かしのヒットパレード」(キャニオンC3011)のバッキングをしている。その他オリジナルメンバーが一掃された後にも自主制作盤や自家盤を出しているが特記しない。なお、平成19年に60年代のメンバーが集まって「ゴールデンギター」のリメイクなどを含むアルバムを出している。


カバース

「ゴールデン・ギター」 ザ・ロイヤル・フィンガーズ


参考リンク

シャープファイブ(公認ファンクラブ)

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